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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》
 数日前、実に久しぶりに―これはけして言い訳ではないが、樹登りをしたのは実に三ヶ月ぶりだった―庭の樹に登ったところを、運悪しく時橋に見つかってしまい、例のごとく大目玉を喰らった。
 叱られる度に、流石にもう止めようとは思うのだけれど、あの爽快感は忘れられない。樹に登って蒼空を眺めているだけで、何もかも忘れられるのだ。
「そ、それは」
 口ごもる泉水に、時橋が笑った。
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