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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》

それは、真の母が娘に向けるような慈愛に満ちたまなざしに他ならなかった。
「私はお方さま、いつも口うるさいことばかり申し上げているくせに、あなたさまの、そのずっとお変わりなき明るさ、屈託のなさに本当は救われておるのでございます。奥方さまらしくおなりあそばせと申し上げておきながら、その傍らではご実家にいた頃と何ら変わりなきお方さまのお姿を見るにつけ、ホッと致します。我ながら随分と矛盾した心持ちで、このようなことは普段なら口が裂けてもお話してはならぬのでごさいますが」
「私はお方さま、いつも口うるさいことばかり申し上げているくせに、あなたさまの、そのずっとお変わりなき明るさ、屈託のなさに本当は救われておるのでございます。奥方さまらしくおなりあそばせと申し上げておきながら、その傍らではご実家にいた頃と何ら変わりなきお方さまのお姿を見るにつけ、ホッと致します。我ながら随分と矛盾した心持ちで、このようなことは普段なら口が裂けてもお話してはならぬのでごさいますが」

