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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》
 泰雅が口をつぐんだ。
「どうした、泉水。また泣いておるのか」
 泰雅の言葉は、泉水の心の奥底にまで滲み込み、ゆっくりひろがってゆく。それにつれ、じんわりと心が温かくなる。
 そうすると、自然と涙がこぼれ、泣けてきた。
「殿、私も殿をお守り致します。もし曲者が殿のお生命を狙うようなことがあれば、この身を楯にしてでも全力でお守り致しまする」
 泉水は泰雅を真剣な瞳で見上げた。
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