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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
―あの剣の使い方は、直心陰流、尾張藩にはあの剣を使う者は多いと聞いている
 泰雅の言葉がありありと蘇る。
 暴漢に襲われ、右腕を負傷して帰ったその日、泰雅は言った。泰雅を襲った曲者は直心陰流を使い、その流派は今、尾張藩内で流行している。また、藩主の光利自身がその直心陰流のかなりの遣い手だとも言っていた。
 ゆえに、泉水もその時、泰雅を襲ったのが尾張藩の者ではないかと疑念を抱いたのだ。
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