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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第15章 第四話【花笑み】 《其の壱》
 美空は、ゆるりと視線を動かす。廊下から見える庭はさほど広くはないが、それでも等間隔に並んだ桜並木が見渡せる。卯月の初めとて、薄紅色の花をたわわにつけた樹々が一斉に立ち並んでいる様は、それこそ現(うつつ)のものとも思えぬほどに美しい。こうして廊下に立ち、春の風に吹かれながら満開の桜を眺めていれば、それだけで極楽浄土にいる気分になれる。
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