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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
 そして、随明寺で運命の再会を果たした日。孝太郎が美空に贈ったのは、この水仙の櫛と柿本人麻呂の歌であった―。あのときから、二人の恋は始まった。
 美空の顔に花のような微笑がひろがる。
「私にとっては大切な想い出の品でございますもの」
「そなたは真に変わらぬな」
 家俊はそう言って、少し眩しげに妻を見つめた。妻を変わらないと言う良人もまた、このような情熱を秘めた瞳で妻を見つめるのも出逢った頃と変わらない。
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