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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第3章 《其の弐》
―よっく言うわよ。ほんとに嫌みなくらい自信過剰な男!
 美空は孝太郎を軽く睨み、殴る真似をしてみせるのだった。
 そうやって喧嘩のようなやりとりを交わすのはいつものことなのに、その癖、孝太郎のくれた蒔絵の櫛を後生大切に箪笥の引き出しにしまっている美空である。何とも矛盾した話であった。
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