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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第17章 第四話【花笑み】 《其の参》
「この雨で桜も大方は散るのでございましょうね。私は幼い頃より、桜の花が大好きでございました。華やかでいながら、どの花よりも清々しい。桜の清々しさは、潔く散るからこそにございましょう」
 矢代の囁きは、まるで冷たい春の大気に溶ける吐息のようだった。
 だが、その白い面には、雨に打たれた花も色褪せるほどの晴れやかな微笑が刻まれていた―。
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