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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第4章 《其の参》
「確かに、あたしはのんびり水なんぞ呑んでる場合じゃないだろうとは言ったが、何もそこまで血相変えることもないだろうに。落ち着きなよ、孝太郎さん。そんな顔してちゃア、折角の男前が台なしだよ。この長屋にゃア、あんたのきれいな顔を拝むのを愉しみにしてる女房連中が多いっていうのに」
「そんなことは、どうでも良いッ。お民さん、美空の奴―」
 孝太郎が怒鳴るように言うと、お民は大仰に天を仰ぐ仕草をしてみせた。
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