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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
季節は、いつもそうやって唐突に変わる。いや、本当は人間が気付かない間に季節のうつろいは徐々に、非常にゆっくりと進んでいるのだけれど、普段は煩雑な日常に心囚われた人々は自然に気を払うゆとりがない。ゆえに、ふっと改めて周囲を見回し、季のうつろいに気付かされた時、人はある日突然に季節が移り変わったような錯覚に囚われるのだ。
美空は小さな溜息を一つ零し、慌てて周りを見回す。今の吐息を誰にも気付かれなかったか。見られてはいなかったか。
美空は小さな溜息を一つ零し、慌てて周りを見回す。今の吐息を誰にも気付かれなかったか。見られてはいなかったか。