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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
 だが、怒り心頭に発する智島とは裏腹に、当人の美空は茫然と虚空を見据えている。智島の言葉を聞いているのかどうかさえ、疑わしい。
「ご簾中さま?」
 たまりかねた智島が声を高くすると、漸く美空の虚ろな眼に光が戻った。
 二、三度瞬きを繰り返した後、美空は緩く首を振った。
「いえ、それは止めておきましょう」
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