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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》
「孝太郎どのが市井の女、しかも長屋住まいの娘を娶ったと聞き、一体、どのような女かと愉しみにしていたんだ。まあ、徳川御三家の筆頭尾張徳川家の嫡子ゆえ、随分と様々な方面から縁談も参っていたようだしな。花嫁候補並いる姫君たちを押しのけて見事に尾張藩主のご簾中の座に納まった娘、いかほどのものかとあれこれ想像を逞しくしていたのだが」
俊昭は値踏みするような眼でしげしげと美空を眺め回した挙げ句、満足げな表情で頷いた。