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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第9章 【烏瓜~からすうり~】 《其の参》
あの女は死んで二十年以上経った今もなお、こうして繰り返し我が身を苦しめる。かつて良人の愛と関心を奪い、彼女を絶望と嫉妬の生き地獄へと突き落とした女の生んだ息子は、自分よりあの女を愛した良人瓜二つの顔で同じことを言うのだ。
―俺は、おゆり以外の女を欲しいとは思わぬ。
おゆりの方が孝信の寵愛を一身に集め、その勢力が強まることを怖れた宥松院が自分に仕える若い奥女中を孝信に勧めた時、孝信は彼女に直截に言った―。