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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
―俺は側室は生涯持たぬ。
 あまりに一瞬の間のことであったため、誰も知ることはなかったのだ。
 初々しい花嫁の眼が涙で濡れていたのは、恐らく、感極まったせいだと皆は思ったことだろう。
 しかし、美空だけは、ちゃんと知っていた。
 美空を泣かせたそのひと言の次に、孝俊が囁いた唄があったことを。
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