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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
「これは、賑やかなだな」
 突然の孝俊の登場に、美空を初め、智島、楓が次々に手をつかえる。
「徳千代君が転んでしまって、このような大騒ぎになっておりまする」
 美空が機転を利かせて説明し、孝俊は声を上げて笑った。
「徳千代、男がそのようなことで泣いて、いかがする。武士とは、容易く泣き顔なぞ見せるものではないぞ」
 孝俊は美空の手から徳千代を抱き取ると、高々と持ち上げた。
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