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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
 今は明日の天気のことどころではないだろうに、のんびりとそんなことを考える自分を他人事(ひとごと)のように冷めた眼で見つめるもう一人の自分がいる。
 紫陽花の花は、これから雨が降る度に、少しずつ、その色を深めてゆくのだろう。ひと雨毎に変わってゆく花の色は、うつろう心の象徴のようだ。
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