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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
美空はまず辻堂の真正面に立ち、両手を合わせる。誠志郎の息災と二人の子どもたちのつつがない成長を祈った後、傍らの珊瑚水木をじっと眺めた。この枝をほんの一本だけ手折って家の中に飾れば、殺風景な家の中がさぞかし華やぐことだろうと思う。
だが、弘法大師を祀るお堂の前に立つ樹を手折るのも罰当たりな気がして、諦めた。
珊瑚水木の緑の葉の上にもまだ雪がまだらに残っている。一面白い布を敷き詰めたような風景の中、緑の葉と無数についた赤珊瑚のような実が際立ち、眼にも鮮やかだ。
だが、弘法大師を祀るお堂の前に立つ樹を手折るのも罰当たりな気がして、諦めた。
珊瑚水木の緑の葉の上にもまだ雪がまだらに残っている。一面白い布を敷き詰めたような風景の中、緑の葉と無数についた赤珊瑚のような実が際立ち、眼にも鮮やかだ。