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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 しばらく艶やかな紅い実に見入っていた美空は、ゆっくりと家までの道を辿り始めた。ここから村の外れに建つ住まいまでは、ちょっとばかりかかる。小さな村には、広範囲に渡って人家が点在しているのだ。
―細氷に見惚れるのは良いが、美空ちゃんが氷になってしまうほど長い間、外にいてはいけないよ。
 ふいに誠志郎の声が耳奥で甦った。
 あの優しい、見る者を包み込むような笑顔を早く見たいと思う。
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