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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 刹那、美空の中で警鐘が鳴った。
―もしや。
 厭な予感が全身を雷のように駆け抜けた。
 何とはなく見憶えのある歩き方に、美空はそろりと後ずさる。美空が身を翻そうとしたのと、得体の知れぬ男が駆け出したのは、ほぼ時を同じくしていた。
「美空ッ」
 ぬっと伸びた屈強な手に手首を掴まれ、美空は悲鳴を上げた。
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