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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
言葉とは裏腹に、まだ蒼い実をかじったときのような苦い顔で、孝俊は口を開いた。寒々とした戸外の温度よりも、まだずっと低い温度で彼は言った。
「何をしにきたのかと言いたげな顔だな」
孝俊は苛立たしげに深網笠を取った。
その顔は相変わらず端整ではあったが、心なしか頬の肉はわずかに落ち、頬から顎にかけての輪郭は美空の記憶にあるものより随分と鋭角的なものになっている。なまじ整った容貌だけに、そのやつれた貌には凄惨な雰囲気が漂っていた。
「何をしにきたのかと言いたげな顔だな」
孝俊は苛立たしげに深網笠を取った。
その顔は相変わらず端整ではあったが、心なしか頬の肉はわずかに落ち、頬から顎にかけての輪郭は美空の記憶にあるものより随分と鋭角的なものになっている。なまじ整った容貌だけに、そのやつれた貌には凄惨な雰囲気が漂っていた。