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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
皮肉げに口許を歪めた孝俊の表情を、美空は哀しい想いで見つめる。
「とにかく話がしたい。そなたの家に案内して貰おうか」
その言葉に、美空は烈しくかぶりを振った。
「私には、もう何もお話しすることはございません。どうか、このまま何もおっしゃらずにお帰り下さいまし」
孝俊の貌が一瞬、歪んだ。
何かに耐えるような表情をしたかと思うと、次の瞬間、氷のかけらを含んだようなまなざしで美空を冷ややかに見つめた。