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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 孝俊は、冷めた眼で家の中をしきりに眺め回している。その探るようなまなざしは、孝俊の与り知らぬ美空の過ごしてきたこの半年間を改めて吟味しているかのようでもあった。
 けして広くはない板敷きの間全体に、かすかに芳しい匂いが立ち込めている。
 美空が愛用している荷(か)葉(よう)の香であった。
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