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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
美空は京の近衛家から遣わされた教育係瀬川から実に様々なことを学んだ。その中にはもとより、深窓の姫君のたしなみの一つとされる香合わせも含まれていた。荷葉の香りは、瀬川に教えられながら美空が独自に調合したもので、初夏に花開く睡蓮の香りを思い起こさせるものだ。
―この香りをきいておりますと、何やらご簾中さまの蓮の花のような、たおやかなお姿を彷彿とさせられるようにございます。真に、良い香りを合わせられました。
―この香りをきいておりますと、何やらご簾中さまの蓮の花のような、たおやかなお姿を彷彿とさせられるようにございます。真に、良い香りを合わせられました。