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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
「殿、昔(いにしえ)より嫡子の座にありながら、廃嫡されて僧籍に入るとは、よほどの罪を犯した者のみにございます。まだ頑是なきあの子がそれほどの大罪を犯すはずもなく、第一、身体の弱い徳千代を寺などに入れれば、あの子はすぐに病になって死んでしまいましょう」
「徳千代自身には何の罪科もない。さりながら、そなたは死をもってしても贖い切れぬほどの罪を犯した。徳千代は哀れだが、母の罪を背負って貰う」
孝俊は抑揚のない声で淡々と言う。
「徳千代自身には何の罪科もない。さりながら、そなたは死をもってしても贖い切れぬほどの罪を犯した。徳千代は哀れだが、母の罪を背負って貰う」
孝俊は抑揚のない声で淡々と言う。