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そのキスの代償は……
第5章 その心
コンコンコンコン。

部屋をノックすると、中からコンコンコンコンコンと5回ノック音。

それからガチャッとカギの開く音がした。

俺は一度深呼吸をして右ポケットの中のチェーンを握り締める。

妄想で欲情しそうになる躰が、熱を帯び始めたが…

構わず乱暴にドアノブを引いた。


彼女は、バスローブ姿でベッドの端に座り、

カーテンの開いた夜景のほうを見ていた。

俺は焦らずその方へ近づいていく…


「今夜ももう来ないかもと思ってました…」

こちらを見ないまま、静かに話し始めた。

「この前はすまなかった…」

「いいえ、別に。元々何の約束も拘束力もない関係ですから、

気にしないでください」

小さな背中から響くその自虐的な言葉に胸がキリキリと痛んだ。

後ろからそっと抱きしめ、首筋に鼻を摺り寄せた。

腕の中に閉じ込めた躰がびくんと震えた。


「早くこうしたかった…」

両手で襟元の生地を割りながら豊かな髪を右肩に流す。

滑り落ちたバスローブから露わになった白いうなじと背中に

感嘆せずにはおれなかった。


綺麗だ…

俺は焦って右のポケットを搔き回した。


それなのに…

結局彼女は何も欲しがらなかった。

本当に何も欲しがらなかった…

なぜこんなに無欲なのだろう?

彼女は…

無欲な女だ。
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