この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そのキスの代償は……
第7章 その日
私はここにいないの?いてはいけないのね。
そう、存在してはいけない人間だから、こんな扱い…
飲み物さえ頼んでもらえないなんて…
ちらっと女を見ると、こちらに向かって満面の笑み。
でももちろん、目の奥は全く笑っていない…
私は顔を伏せ、目を閉じて零れそうになる涙をグッと押し込んだ。
膝の両手をより一層握りしめ、
悔しさに叫んでしまいそうになる感情を堪える。
仕方ない。私は所詮そういう立場で、そういう身。
夢なんて見ようとしたから、勘違いしそうになったから…
こんなことになるんだ。
だから、こうやって侮辱され思い知らされるんだ。
もう、勘違いしない。もう二度と…
勘違いしたりはしない。
これで…
今夜でなにもかもすべてがおしまい。
もしかしたら、仕事すら辞めなければいけないかもしれないけど…
それでもこの人と関係を続けることは、自分で選んだ。
もちろんこういうリスクがあるのはわかってのこと。
それでもこの人が、必要だった…
どうしても我慢できないくらい欲しかった…
目を開け、顔を上げた。
私は目前に広がるすべてを断ち切るため…
この場から消え去ろうと立ち上がった。
目の端に、
真っ赤な口元でほくそ笑む女と無表情の男がちらりと見えたが、
そんなものはすべて振り切って、とにかく今は、
この場からいなくなってしまいたかった…
そう、存在してはいけない人間だから、こんな扱い…
飲み物さえ頼んでもらえないなんて…
ちらっと女を見ると、こちらに向かって満面の笑み。
でももちろん、目の奥は全く笑っていない…
私は顔を伏せ、目を閉じて零れそうになる涙をグッと押し込んだ。
膝の両手をより一層握りしめ、
悔しさに叫んでしまいそうになる感情を堪える。
仕方ない。私は所詮そういう立場で、そういう身。
夢なんて見ようとしたから、勘違いしそうになったから…
こんなことになるんだ。
だから、こうやって侮辱され思い知らされるんだ。
もう、勘違いしない。もう二度と…
勘違いしたりはしない。
これで…
今夜でなにもかもすべてがおしまい。
もしかしたら、仕事すら辞めなければいけないかもしれないけど…
それでもこの人と関係を続けることは、自分で選んだ。
もちろんこういうリスクがあるのはわかってのこと。
それでもこの人が、必要だった…
どうしても我慢できないくらい欲しかった…
目を開け、顔を上げた。
私は目前に広がるすべてを断ち切るため…
この場から消え去ろうと立ち上がった。
目の端に、
真っ赤な口元でほくそ笑む女と無表情の男がちらりと見えたが、
そんなものはすべて振り切って、とにかく今は、
この場からいなくなってしまいたかった…