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第10章 その約束

「いやぁ～」

私が叫ぶ嬌声にふふっと笑う息使いが、疼きを孕む内腿をくすぐる。


空気の震えだけで、ゾクゾクゾクっと下腹部に痺れが走って、

顔をそむけ、両てのひらでシーツをギュッと握り締める。

意に反してダラリと蜜が流れ、自然に腰が浮く。


「何？イヤ？ひなのイヤはシテにしか聞こえない…」

違う…

私は首を横に振った。

確かにもうとっくの昔に溺れてしまっている…

そんなことはわかっているし、この人も知っているのだろう。

でもだからと言って何もかもどうでもいい訳じゃない…


本当にイヤなの。

こんなふうにしてあの人の思い通りにされるのは…

従わされるのは…

イヤなの。


無意識のうちに腰を上げ、無理やり割られたはずの膝を

自らより大きくさらけ出して開き、

蜜を垂れ流して甘く薫り立つ所をあの人に突き出した。

心で頑なに拒絶しようとしているのに…

躰が…

躰だけが…

「ほら、もうココはシテって言ってるぞ…」


足の間から顔を上げ、舌なめずりしながら

その一点を射抜くように見つめる。

節くれだった長い中指の先がぬっと伸びてきて…

布越しにコンコンコンコンとノックされた。