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そのキスの代償は……
第11章 その朝
突き立った杭は、私が頷いたらすぐに動き始めた。


「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あぁんっ…」

突かれるたびに揺さぶられる躰。

パンパンと肌がぶつかる音を耳にしながら、

ソファーのどこかに手を伸ばし、必死にしがみついて、

盛り上がってくる快感の揺れに眉を寄せながらただ耐える…


時折緩急をつけられる突きに奥がキュンキュンと締まり、

それと同時に駆け上ってくる得も言われぬ気持ちよさをただ享受する。


何もかも吹き飛んだらいい。

理性も道徳も倫理も、常識すらこの淫楽の中では…

いらない。

とうとう私はこの快楽を手に入れるために、今まで守ってきたはずの

大切なモノまですべて失ってしまった…

でも今はもうそんなことなんてどうでもいい。

ただ揺さぶられて、喚いて、垂れ流して、突き抜けてしまえばいい…

切れ切れに物思いをする余裕も、とうとうなくなってきた。


「ああぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ…」

叫びながら目を開けると、

汗を拭わないまま快楽で歪んだ顔をしたあの人が

一心不乱に腰を打ちつけていた。

その顔がとても艶っぽく見える。


今だけは私のモノ…

この顔をさせているのは私なんだと思い、両手を伸ばした瞬間、

躰中が痺れて震えながら、見たことのない世界に飛んだ…
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