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そのキスの代償は……
第11章 その朝
メールチェックの途中、何が引き金を引いたのか…
嫌なことを思い出した。
ここまで聡美の記憶に侵されると、もう何をしても手に付かなくなるから、
切り替えるしかなくなる。
パソコンをそのまま放置して、煙草とライターを握り喫煙室に向かう…
歩きながら通りすがりのデスクに座る部下の肩にそっと触れ
煙草の箱を見せ目くばせすると頷いた。
あとは一目散に通り過ぎ、箱から1本手に取りながら足早に廊下を抜ける。
聡美との出来事は楽しかった思い出より、
苦く、眉をひそめるモノが多かった…
時折フラッシュバックするかのように、思考に入り込んできて
俺の心を蝕む…
家を出てからこれだけの時間が経ち、これだけ距離を置いても、
彼女のその異様な程の影響力からは逃れられない。
つい最近あんな最悪の形で遭遇すればなおの事なのだろう…
この頃、ひなのことで物思いに耽ることが多かったのは、まだましで…
幸せなことだったと思い出しながら
その階の端にある喫煙室のドアを乱暴にあけ、
瞬間に咥えた煙草に火を付ける…
煙を思いっきり吸い込み、ゆっくりと吐き出すと携帯を手に取った。
イライラした気持ちで画面を弄ると、思わず送信画面が目に入り…
慌ててキャンセルするが、おそらく遅いだろう。
送信先はなんと…
ひなだった。
嫌なことを思い出した。
ここまで聡美の記憶に侵されると、もう何をしても手に付かなくなるから、
切り替えるしかなくなる。
パソコンをそのまま放置して、煙草とライターを握り喫煙室に向かう…
歩きながら通りすがりのデスクに座る部下の肩にそっと触れ
煙草の箱を見せ目くばせすると頷いた。
あとは一目散に通り過ぎ、箱から1本手に取りながら足早に廊下を抜ける。
聡美との出来事は楽しかった思い出より、
苦く、眉をひそめるモノが多かった…
時折フラッシュバックするかのように、思考に入り込んできて
俺の心を蝕む…
家を出てからこれだけの時間が経ち、これだけ距離を置いても、
彼女のその異様な程の影響力からは逃れられない。
つい最近あんな最悪の形で遭遇すればなおの事なのだろう…
この頃、ひなのことで物思いに耽ることが多かったのは、まだましで…
幸せなことだったと思い出しながら
その階の端にある喫煙室のドアを乱暴にあけ、
瞬間に咥えた煙草に火を付ける…
煙を思いっきり吸い込み、ゆっくりと吐き出すと携帯を手に取った。
イライラした気持ちで画面を弄ると、思わず送信画面が目に入り…
慌ててキャンセルするが、おそらく遅いだろう。
送信先はなんと…
ひなだった。