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そのキスの代償は……
第14章 そのひと時
「どうした?怖いのか?今更だろう?

結局納得してジャンケンしたのはお前だ…」


あの人は今夜部屋に入るなり

『今夜は勝った方が負けた方の言いなりになる…』と言い

おどけた様子で突然「ジャ~ンケン!!」と掛け声。

訳もわからないままとっさにグーを出すと、思惑通りだったようで…

一回で勝負はついた。


「オレのかち♡」

目の前には思うように事が運んだことを喜ぶあの人が

口角と右の眉を上げ妖しくほくそ笑む。


私の背後に静かに回り込み、後ろから躰をふわっと包んだ。

煙草とフレグランスの混じった匂いが鼻腔に到達したとき…

目隠しをされた。


視界が遮断されるとつい期待に胸が膨らんで、

何もされていないのに下の淫口から蜜がジュッと溢れた。


あの人はそのまま背後にいて何かごそごそしている気配を感じた。

それからポンと両肩に触れ、掌が腕を滑るように撫でながら下りてきて…

両掌が両手に重なり、お腹の前まで動かして指を絡めた。


首筋に唇が触れ息がかかったかと思ったら、両手首を縛られてしまい、

視界を奪われたまま抱き上げられる。


そのまま歩いて移動しベッドに降ろされる。

両手をゆっくりと引かれてばんざいをさせられたまま、

仰向けに押し倒され、縛られた腕をもう少し頭の方に引かれ、

ベッドヘッドに結われた。
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