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そのキスの代償は……
第15章 エピローグ
今年度は、年が明けてから体調が悪い時期があったので、

正直仕事がまともにできていない。

それでもそれなりにはあるだろう…

そう思いながらいつものようにその封を切った。


中をのぞくと線の入った紙が見えた…

私はその紙を引っ張って、線の透けて見えるものを開き、

左上の数字に目を凝らした。


私の給料は月給制。土日祝日休みの、週5日8時間労働をしていて

1か月いくらという固定給だった。

左上の数字が今月からわずかばかりであっても増えているはず…

なのにそれは私の記憶の限り変わっていない。


なんで?

課長は特に何も言わなかった。どうしてだろう?

何かの間違いかも…


そう思っている私の膝に一枚の紙がはらりと落ちた。

小さな白い紙。これって何だろう?

私は、給与明細の紙を丁寧に折りたたんで封筒に戻し、

膝に落ちている紙を掴んで開いた…


紙の中央、走るように書かれた文字が飛び込んでくる。

これは…

その紙を見つめる瞳がこれでもかと見開いた。

心臓が一気に拍動のペースを上げ、胸に痛みが走り…

そのまましばらく私はその紙に釘付けになりながらも、

一言も声を発せなくなった。
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