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そのキスの代償は……
第2章 その想い
それから、俺は一度そのまま腰の動きを加速させ、絶頂に達し果てた。


かおるの名を呼びながら他の女の膣(なか)でイッタのは…

あの時が初めてだった。

胸が息のできないくらい締め付けられ、

白濁の欲を放つ瞬間、その瞳から一筋の涙が零れ堕ちた。

吐き出すためだけに獲物を狩り、一夜の女と躰を交える快感とは…

明らかに違った。


かおるを恋しいと思ったのはどのくらい振りだろう?

いったい他人の躰で何をしてるんだか…


彼女はそんな俺の愚かな行為を知らないまま、しばらくして目覚めた。


その夜は何度も何度も彼女を挿し貫き、果て続けた。

ただその穴に埋め征服する欲求が強く、一心不乱に放ちまくった。


出会った瞬間から間違いなく意識していて、

何度も夢の中で犯し続けてはいたが、その姿の豹変ぶりには心底驚いた。

まさかここまで違うとは…

思わなかった。


そして俺の豹変ぶりにも驚いた。


普段仕事のできる地味な女はどこかになりを潜め、

腕の中で溢れる色気を振りまき乱れる彼女は一皮むけて艶やかな雌だった。

自ら俺の腕に迷い込んできた蝶。

彼女はこれから手練れた雄の手で華やかな蝶に化ける…

でも、それは俺じゃないことが残念だった。


危険だ。これ以上近づけば…

間違いなく俺が絡め取られる。

一度限りと決めた俺は、あの夜から彼女のことを無視し続けた。
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