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そのキスの代償は……
第2章 その想い
結婚した。子どもも生まれた。

産後仕事を続けながら、家事をこなすのは大変だったが、

それなりの幸せを感じていた。

それまでもお互いに違和感がなかったわけではなかったが…

二人目を妊娠した頃から何かが崩れ始める。

まず、妊娠を言い訳に夫が私に全く触れなくなった。

そして、夫がある日突然を仕事を辞め、しばらく無職で家にいたが、

新しい仕事に変わってから…

性格まで変わってしまった。


「うるさい!!」

美奈が1歳を超えても夜泣きが激しい時期があった。

「しばらくしたらたぶん寝るから我慢して…」

私は半分まどろみながら夫にそう告げた…

そばでがばっと布団をはいで起き上がる物音がした。

次に私の布団をむしり取り、

「うるさいと言ってるだろ?!さっさと外に連れていけ!!!」

美奈の右腕を掴んで宙づりにしたまま私の前に突き出した。

目の前の光景に驚き、慌てて起き上がって美奈を奪い取った。

「やめて!!泣いているだけでしょ?!!」

「口答えするのか?」

夫の瞳が光った瞬間私の頬に平手打ちが飛んできた…

「子どもなんてうるさいだけで何の役にも立たない!

そんなもの捨ててしまえ!!!」

私は痛みに耐えながらその言葉に衝撃を受けた。

確かに夜泣きはうるさいし、不快な物だろう…

だからって捨てるなんて、私には考えられない。
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