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そのキスの代償は……
第2章 その想い
生まれた子供をそうやって全く可愛がらなかった。

そして…

突然家にお金を入れなくなった。

それなのに、仕事から帰って気に入らないことがあれば

キレて手を上げられた。


そんなことが続くと、もう存在自体が恐怖の対象になる。

帰ってくる物音に、何かで機嫌を損ねないかと…

ビクビクして毎日をやっと乗り越える。


あれ以来別々の部屋で眠るようになり…

そして夫はいつしか家に帰ってこなくなった。


正直ほっとした。

お金もあまりないけど…

でもこれでもう暴力を受けることはないと思ったから…

私は2人目の時も産後少し休んだだけで職場復帰していたので、

なんとか3人食べていこうと前向きに考えていた。


それなのに、しばらくしてあの人は

子どもが寝静まった頃を狙ってこの家に舞い戻ってきた。


目の前に再び現れた夫は…

別人になっていた。

でも「お金をよこせ」と言って、以前と同じように私を殴った。

最初の頃は1万円。その日の遊びの金欲しさだったのだろう。

悪魔のように変貌した夫を見るのは辛かったが…

でも1か月に1度ほどだったので、怖かったが、

とにかく我慢することにした。

こんな人だがこの子たちの父親なのだから…


でも、それが段々頻度を増していった。

私はここが限界だと割り切り、離婚することにした。
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