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せめて夢の中だけでも
第10章 真っ黒な空
………………………


お昼は何故か隼人のリクエストで
とんかつ屋。


「隼人…いつも彼女とこんなとこ来てたの?」


「馬鹿言うな。麗華がこんなところ
来るわけないだろ。」


「…失礼ね。私ならいいわけ?」


「彼女でもないし、気を使う必要ないからな」


「ひどっ…!」



そんなやりとりをしながらも
トンカツはとっても美味しかった。


「うま〜!!」


「オヤジだな…」



隼人が笑ってくれると…私も元気が出た。




3年前…私を助けてくれたから…
今度は私が隼人を助けたかった。





「お前、本当楽しそうだな…」

「へっ?」


トンカツを頬張っている私に隼人は
微笑みながら私に言う。


「いや…麗華とはこうやって笑うことあんまなかった。」


「えー。ラブラブだったじゃない?」



…私は知ってる付き合い始めた当初…
彼女は毎日お昼を一緒に食べたいと誘いに来てた。

愛妻弁当を作って…笑いあってたじゃない?



「…どうかな…」


少しの悲しげな表情は私をも苦しくさせた…。
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