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第11章 泥酔する理由

「あんたみたいな女が沢山いる男に
凛は任せられねぇーよ。


まぁ…麗華を庇う男気は感じたけど…」



秋雨は、何も言わず
真っ直ぐ隼人を見ていた。



横で泣き出した隼人の彼女。




何が起こってるの…？
良くわからない…。




「麗華と2年も付き合ってきた。
麗華のその顔を見れば…なんとなくわかる。

あんた、嘘ついてるだろ？」



秋雨は、薄く少し笑って
橘さんの方を向いた。


「麗華…どう？

俺は、麗華が可愛かったから声をかけた。
それは変わらないよ？」


優しく諭すような言い方だった。



「…声をかけられて…わっ…私から…
付き合って欲しいと頼みました…

隼人っっ…ごめんなさい…」


彼女の目からは幾度となく涙が溢れる。



「五十嵐。お前、付き合ってたわけ？」



「うん。麗華のことは好きだったよ。




でも…隼人君が彼氏だとわかった時に
もう会わないって言った。

無意味だったけど。



隼人君…すいませんでした。」




秋雨が立ち上がり綺麗に頭を下げる。




誰もが何も言えなかった。



「…やめろよ。」


彼女の嗚咽が酷くなる。



きっとこの子は…本気で秋雨が、好きだったんだ。