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せめて夢の中だけでも
第11章 泥酔する理由
「…麗華と別れてもらえる?」



隼人の言葉に秋雨は
「そのつもりです…」と告げた。



彼女の泣き声だけが店内に響いていた。



「麗華…俺とも別れよう。」



「隼人…ごめっ…ごめんなさいっっ」




…秋雨…橘さんのこと…
好きだったよって言ったね…



なら…私は…?




彼女の泣く姿を見て…わたしの目からも
涙が溢れた。



「凛ちゃん…」



秋雨に気付かれ慌てて涙を拭う。



「ごめんね…」




秋雨が、小さく私に謝った。




…何に対しての謝罪なの?

私ともサヨナラなの…




「五十嵐。凛ともこれで最後にしてくれ。」


「隼人っ」


隼人は立ち上がり私の腕を引っ張った。

そのまま店外へ出ようとする。



後ろを振り向くと
秋雨は、私を見ていた…



…秋雨っっ!…




パタンっ…と店の入り口が閉まる。




隼人は怒っているのか
私を引きずるように歩き続けた。
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