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せめて夢の中だけでも
第11章 泥酔する理由
「お前…飲み過ぎ。」


隼人は私からジョッキを奪うと
一気に飲み干した。



「あっ。私のビール…」

「うるせぇ。

俺だって傷心なんだ。
飲みたい気分なんだよ!」






隼人のペースもいつもより早かった。
きっと…強がってるだけで
橘さんの事はショックだったに違いない。






酔いが回り私の思考回路もほとんどショートしていた。



「ううんっ…隼人…もう飲めない

頭痛い……」



「あんだけ飲めば当たり前だよ。
無茶しすぎなんだよっ!


なんでそんなに飲む?」




「記憶がなくなるから…」



「はっ?」




「秋雨と初めて出会った日…

私、酔っ払ってて記憶がないのよ?



何もかも覚えてないの。



また酔っ払って記憶がなくなったら…





きっと…




秋雨の事忘れてると思って…






ねぇ…隼人…


明日、何もかも…忘られるかなぁ…?」
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