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せめて夢の中だけでも
第12章 二度目の再会
「本当に家まで送らなくて大丈夫か?」
「大丈夫だよ。もう平気。」
「凛。ゆっくり休めよ…
明日からまた、仕事だ。」
「わかってるよ。」
私は少し笑うと玄関のドアを開けた。
昨日の雨とは打って変わって
今日は気持ちがいいほど青空が広がっている。
「…気をつけろよ。
家ついたら連絡しろよ。」
何度も心配する隼人に
私は呆れた風に笑いを返した。
もっと早くにこうやって…
隼人の優しさをもらえたらな…。
きっと秋雨なんて…映らなかったかも。
そう思うと自然と笑みがこぼれた。
イヤ…違うわ。
きっと…私は秋雨にどんな順番で会っていても
恋をしていたと思う。
私も橘さんと同じなのかもしれない…。
「隼人、ありがとう」
そう言って隼人のマンションから出た。