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せめて夢の中だけでも
第12章 二度目の再会
私達は定時で上がった後
そのまま秋雨のお店へと向かった。



朝の沙織ちゃんとは別人のように
無邪気にはしゃいでいる。



店の中に入ると
沢山の装飾がしてあって
誰かの誕生日であることは、一目瞭然だった。






「あっ…」


奥にいた仁さんと、目があった。
仁さんは、こちらへと向かってくる。



「凛ちゃん。いらっしゃい。」



私達の事…聞いてるのかな?
まさか…2日前の事を話さないよね…?




私達をテーブル席へと案内してくれた。



月に一回のイベントの時とは違って
うるさい音楽はなかった。




「先輩…朝はごめんなさい。」


「いいのよ。」


「沙織、先輩大好きだから…
田中先輩と幸せになってほしいって思ってました。」


「うん。知ってるよ。」



そう、彼女がいても奪っちゃえって言ったのは
この子なんだから…。

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