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せめて夢の中だけでも
第12章 二度目の再会
「もうっ!先輩っ!
どこまで鈍感なんですか!!
田中先輩が麗華と別れたら
五十嵐さんのところに行くって解ってたからっ!
そしたら…先輩が傷付くからって…」
「先輩は…田中先輩が好きなんじゃなかったんですか?」
「沙織ちゃん…」
見る見るうちに沙織ちゃんの瞳には涙が溜まる。
「先輩っ!五十嵐さんはやめた方がいい!
かっこいいけど、かっこいいなりに
セフレだっていますよ!
先輩みたいな人には田中先輩がいいんですよ!」
…何それ…
私と秋雨は、不釣り合いってこと?
解ってたわよ。何もかも全部…
「…るのよ…」
「えっ?」
「沙織ちゃんに、彼の何が解るのよっ!」
もともと静かな店内はさらに、静かになった。