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せめて夢の中だけでも
第12章 二度目の再会
みんなが一斉に
happy birthdayの歌を歌いだした。


スタッフの男の子が大きなケーキをワゴンに乗せ
フロアーの中央に持っていく。
ケーキの中央には『27』とローソクが立っていた。




「「五十嵐さん!お誕生日おめでとう!!」」





その声とともにスポットライトが
カウンターを照らし出した。



1人用の椅子に足を組んで
スーツ姿で座っている秋雨の姿。




「どーも…」




一瞬で解った…目の曇り。
元気がない…



スッと立ち上がると
髪をかきあげローソクの火を吹き消した。




拍手に包まれフロアーの電気が点灯する。




その瞬間…




私達は目が合った。





目の前の彼の顔は一瞬にして崩れ
本当に泣き出してしまうんじゃないかと思った。
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