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せめて夢の中だけでも
第12章 二度目の再会
「…先輩。五十嵐さんの顔…ヤバイ」


「うん。」


「色気抜群。先輩…あの顔いつも見てるんですか?」



「いいえ。彼とは一度きり。
私の記憶は泥酔しててないの。」



本当はあと1回。
けど、あの思い出は誰にも言いたくなかった。


沙織ちゃんは驚いていたけど…
それ以上は何も言ってこなかった。





誰もが秋雨の視線の先を見たことだろう。




視線の先に冴えないこんな女がいることが
信じられないような顔をしていた。





それを察してか仁さんが私たちの前に
立ちはだかり私達にニコッと微笑んだ。

ユックリ、私と沙織ちゃんの肩を掴むと
奥の事務所へと案内してくれた。






「凛ちゃん。ダメだよ。
秋を誘っちゃ〜。」




「えっ!?違いますよ!」



「…何があったの?」



仁さんからは笑顔が消えた。
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