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第14章 不思議な男

「何…笑いに来たんですか？」



「まさか…」



「秋雨…いい男でしょ。
誰にでも優しい…罪な男よ。」



彼女は俯きフッと笑った。




「秋雨も私もすれ違いすぎたんです。

お互いに…誰も愛せなかった。」




「橘さんは…秋雨の事…
本気だったでしょう…？」



「……ですね。
秋雨の事を知るたびにハマって抜け出せなかった…。


昔から秋雨は…女たらしなのに…
真面目で…本当調子狂う。」



「私もよ。名前も知らない人を好きになってたのは
初めて…」



「秋雨は斎藤さんの、どこがいいんですか？


可愛いわけでもない…
普通の人なのに。


隼人も…何がいいんだか…」








「まぁ、秋雨があなたに飽きたら
また私が貰いますから。」



彼女そう言って店を出て行った。