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せめて夢の中だけでも
第14章 不思議な男
………………………………………


営業時間も終わり
誕生日イベントも終わった。


最後の女性のお客さんを
見送ると秋雨は肩に手を置き
首を鳴らした。



「疲れた。」


「秋雨、お疲れ」


仁さんが言うと秋雨は
少し苦笑いをした。





「…凛ちゃん。お待たせ」



優しい彼の笑顔が私を捉える。






「はい!ストッーープ」





「……仁さん。邪魔。」





「ダメだよ。秋。」



「何で。おれ腹減ってんの。」


「ケーキ食べたろ。」


「凛ちゃんが食べたいの。」


「凛ちゃんは、食べ物ではありません。」


「あの…。」




「「凛ちゃんは黙ってて!」」




二人は何故か目の前でギャァギャァ騒いでいる。


結局、秋雨が仁さんに勝てるわけなく…
今日の売り上げの収支をまとめる事となった。
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