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せめて夢の中だけでも
第14章 不思議な男
お互いに体を少し伸ばし
どちらからともなく優しくキスをする。
少し離れると、また求め合うように
激しくキスをした。
何度も、何度も交わす口付けは
お互いを欲している証拠…。
「…んっ。しゅうっ…」
「可愛いよ。凛ちゃん」
秋雨の両手が伸び私の頬を包む。
さっきとは違う温かい手の温もり。
この距離がもどかしい。
「横…行っちゃダメなの?」
「ん?ダメ」
「なんでよ…」
「凛ちゃんだからだよ。」
「何それ…」
「凛ちゃんは特別だから。そこにいて」
あなたは急に遠ざかる。
内を見せない秋雨は
いつまでも届かない人の様に思えた。