この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心
「えっ…明日には帰ります。」
『なら明日、俺が迎えに行ってもいい?』
「えっ?そんな…大丈夫ですよ…」
仁さん…何ですか?
悪い予感しかしないんですけど…。
『いいから!いいから!』
「何でですか?」
『えっ?内緒だよ?
じゃ明日10時には行くから
退院するんだよ〜』
仁さんは、一方的に電話を切ってしまった。
私の頭は軽くパニック状態。
平常心を保とうとすればする程
私の心拍数は上がっていってしまう。
無理やり目を瞑ってみるが到底眠れそうもなかった。
…私、仁さんのせいで睡眠不足なんじゃ…
そんなことさえ思ってしまう。
夢で秋雨に会えますように…
そう願いながら私は目を閉じた。
会いたいと願えば…何故か落ち着いた。
きっと秋雨なら夢の先にでも
待っていてくれるような気がした…