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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心



…………………………………



「おはよー。」



仁さんの爽やかな笑顔に見つめられながら
私は朝目覚めた。




「!!!!!!仁っ…さん!!」



「ごめんね。早く着きすぎた。」



時計に目をやるとまだ8時が、少し過ぎたところだった。




「朝ごはんは外で食べるから。
もう退院手続きしてあるから。」



ニコニコ顏の仁さんは眩しすぎた。


いつもの一つに結んだ髪とあご髭と
今日の黒縁のオシャレメガネはとても似合う。




仁さんに急がされながらも
私は無事に退院をすることになった。




病院の真ん前には
仁さんの車が停めてありそれに乗りこまされる。





「あの…どこに…?」


「……俺んち。」



……はい?


「今なんて?」




「ん?俺の家。」



え…えぇぇ!?




車は私の意思とは関係なく
ひたすら進み続けた。
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