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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心
目の前には秋雨のマンションに劣らない
高層ビルとも言えるマンション。


腕を掴まれグングン中へと進んでいく仁さん。




「あのっ…仁さん?」


「んー?」



「何で家っ…に?」


「俺も味見がしてみたくて」



そう笑う仁さんは悪魔のようだった。




「えぇ?!えっ?ちょっと!」



玄関のドアを開け靴を脱ぐことさえ許されず
私はドンドン引きずられていく。



勢いよく寝室の扉を開け
私をベッドへと放り投げた。




「…嘘っ…」





広いキングサイズのベッドにもう1人…





「…秋雨…っ」






「凛ちゃん。こいつ慰めてやって。」



ベッドから体を起こし
仁さんの方を向く。




「馬鹿なんだよ。秋は。
綺麗な顔台無しにしやがって…

店、3日間休ませるから、
凛ちゃんが、ちゃんと復活させといてよ。」


そう言うと歯を見せて柔らかな笑顔を見せた。
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