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せめて夢の中だけでも
第3章 最悪な再会。
「…まぁ…そのどこのどいつかも
解らない男なんて忘れちまえ。」
…そうよ…どこのどいつかも解らないのよ…
この広い世の中で、また出会えたら…
そんなの奇跡としか言いようがない…
そんなこと…
「あり得ないわ…」
フッと笑うと隼人は不思議そうな顔をした。
「もう忘れる!さぁ!飲むわよ!
すいませ〜ん!ビール二杯追加ー!」
隼人は呆れたように苦笑した。
何杯飲んだんだろう。
もう酔っ払わないと思っていたのに
いつの間にかグデングデンだ。
「隼人〜…。もうダメ〜」
机に項垂れると隼人は
優しく頭をポンっと撫でてくれた。
「…帰るか?」
その暖かな温もりが
痛いほど伝わってきて…
「ん」
とだけ返事をした。
項垂れるた私をおいて、
隼人は先にお会計を済ましていた。
レジの前で会計を済ますその姿を
私は机に項垂れたまま、眺めていた。